これからお話しする事は、私や友人が実際に体験した事や、聞いた事ばかりです。 私には、霊感はありません。だから、何の前兆もなくそれは起きるのです。 信じるとか信じないとか、ウソとか本当とか、そんな事を論じても意味はありません。 だって現実に起こってしまった事なのですから・・・・。 |
第四話 : 踏切
K駅の近くに、小さな踏切がある。それは、国道から一方通行の細い道に入り 50Mほど 行った所に あるのだが、夜になると 人通りは 殆どない。 その踏切を渡って行った先に、大きな病院があり、その病院の先代の院長が 電車に 飛び込み自殺を した。・・・・・そんな曰くを 持つ 踏切だ。
卒業論文を書いていて、ここのところ朝方まで起きていることが多い。 健二のアパートから、一番近いコンビニに行くには、その踏切を通って行かなければならない。 少し迷ったのだが、近所の他のコンビニを選んだとしても、途中の道が暗くてかなり寂しい。 臆病な健二にとっては、少しでも近い方が良かったので、結局、踏切を 通る方を選ぶ事にした。
「うひゃぁ〜、こわいなぁ。あと1時間もすれば、新聞配達のバイクが出るのになぁ。」 でも、空腹には勝てない。 健二は、あまり周りを見ないようにして、コンビニへと急いだ。 一方通行に入り、だんだん踏切が近づいてくる。あたりに響く自分の足音も怖い。
人の形をした真っ黒な影だが、遮断機の棒が斜めに傾いており、それに絡みつくように ゆらゆら 揺れている。 健二の方を 見ながら、両手を 上げて 左右に 振っている様にも 見える。
「飛び込み 自殺した 院長・・・!」 この 踏切に まつわる話は、当然 聞いて 知っている。 「うわあぁ〜〜。」 叫び声を あげかけた その時、 「おお〜い、こっちは終わったぞぉ〜。」
そういう前提があり、怖い怖いと思っていると、ちょっとした物でも、怪しい物に 見えてしまうという 笑える話ですが、その時の 彼は、死ぬほど 怖かったそうです。
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