これからお話しする事は、私や友人が実際に体験した事や、聞いた事ばかりです。 私には、霊感はありません。だから、何の前兆もなくそれは起きるのです。 信じるとか信じないとか、ウソとか本当とか、そんな事を論じても意味はありません。 だって現実に起こってしまった事なのですから・・・・。 |
第五話 : トンネルの中の・・・
この話は、バイクツーリングに 出かけた先で、知り合った 友人から、聞いた 体験談です。
三日間、夫が 出張したので、その 間だけ 実家に 帰った。
ツーリングには 行きたいが、一人では 心細いし、忙しい夫は、なかなか 時間を取ってくれない。 そこで、彼の 出張中に、実家へ 帰ることで、ツーリング気分に 浸ることに した。 シーズン・オフということもあって、道路は 空いている。行きは、快適な 旅だった。 実家に 滞在中 近辺を バイクで 走ったりもした。
「車もいないし、やったネ。」・・・・空いた高速を ひたすら 走る。 時折、ハイスピードの 車や バイクが、ゆっくり 走る 初心者の彼女のバイクを、追い抜かして行く 程度だ。
ここまで来て、彼女は何気なくバックミラーに目をやった。後ろには、車の影はなし。 前にも 車は 見えない。 実家にはよく帰るが、こんなに他の車の気配がしない日もめずらしい。バイクは快音を 響かせながら、トンネルに 入った。
「ひぇ〜。一人っきりだと、寂しいなぁ。」 この トンネルは、そう 長くは ないが、それでも 出口は 見えない。
心細さに、バックミラーで、後方から 車が 来ていないか 確認するため、一瞬目を やった。 「うわっ。誰も いない。 やだなぁ。」 そう つぶやいて、前方に 目を 移した その時で ある。
「うわぁぁぁ〜。」 キキキキキー・・・・・・、ブレーキを かけたが、間に合う わけがない。それほど、近かったのだ。
誰も いないのだ。 トンネルの 中には、彼女 一人・・・・・。
そして・・・・・その 男の 体を すり抜けたという 事実。
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