これからお話しする事は、私や友人が実際に体験した事や、聞いた事ばかりです。 私には、霊感はありません。だから、何の前兆もなくそれは起きるのです。 信じるとか信じないとか、ウソとか本当とか、そんな事を論じても意味はありません。 だって現実に起こってしまった事なのですから・・・・。 |
第十話 : お前にも 見えるのか
そして、それが 動物だけで なく、自分自身にも 起こると したら・・・・・。
犬を 一匹 飼っていて、寝る前の 早朝 四時頃、散歩を させるのが 日課に なっている。
玄関先では、準備している伸子の 気配を 感じて、愛犬・シロ〜が ソワソワしだした。 犬は、実に 敏感なのだ。 姿を 見せて いなくても、伸子の 発する 音だけで、散歩を 催促 するかの様に クンクン 鳴いている。
伸子は、半分 引っ張られる 様にして、それでも 何とか シロ〜を 抑えながら 家の 前の 通りに 出た。 やはり、辺りは 真っ暗。 人影も 全く ない。
ところが、今日に 限って シロ〜が 言うことを 聞かない。 伸子を 引っ張って どんどん 中に 入って行こうと するのだ。
全然、歯が 立たない。 結局、諦めて 少し中を 歩いてやる 事にした。 人影が ないのが 救いだ。 シロ〜は、脇目も 振らず、公園の 中の 草むらに 向かう。
そして、その 周りの フェンスに 近い 場所が、子供の 丈ほどの 草むらに なっている。 役所が 定期的に 草刈りをしてはいるのだが、それでも、すぐに 生えて きて しまい、広い 範囲に 渡って 雑草が 生い茂っているのだ。
そこで、伸子は 信じられない モノを 見た。
立ち尽くす 伸子に その 人物が ゆっくり 振り返って 言った。
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