ところが、またまた 問題が 発生した。　石森先生には、7人の アシスタントが いる。　それは、仕事場に 7つしか 机が 入らないからだ。　 つまり、誰かが 辞めるまで 僕の場所はないということだ。 どうすりゃいいんだ。

　先生に 相談すると、

「レストランを 紹介するから、そこでバイトをして 席が 空くまで 待っていてくれ。」と いう事だった。

「どれくらい 待てば いいんですか ？」

「おまえの 他に あと 2人 いるから、1年かな、2年かな ？」

愕然とした。　確かに アシスタントの 入れ替わりは 激しい。忙しいさ中、突然 辞めてしまう人もいる。 すぐには アシスタントは見つからない。 いたとしても、即戦力にならない。　そんな時のために 僕は プールされただけだったのだろうか。

「先生。僕は マンガを 描きたくて 東京へ 来ました。レストランで ボーイをしたり 出前を したりする気は ありません。 たとえ 一ヶ月でも、マンガから 離れなければならないなら、先生の アシスタントに なる事は 諦めます。」

生意気にも 僕は そう 言ってしまったのだ。　しかし、これは 本心だ。 マンガから 一時だって、離れたくない。 ずっと描いていたいのだ。

「そうか。それなら ちょっと 待ってろ。」

そう言って、先生は どこかへ 電話を かけた。

僕は、先生に 一枚の 地図と メモを 渡された。　そこには 石森プロダクションの 場所が 示してあった。　えっ ！？ 石森先生の 所が、石森プロじゃないの ？

石森プロって・・・ふたつあるの ？？？

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く