◇9月18日ロータリー館 AM11時〜『マンガの書き方』講演◇

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( 一部、画像は『 工藤裕司さん 』撮影のものをお借りしています )


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 2日目の朝

フラフラ状態の第1日目を、なんとかクリアー。 でも、眠れないままホテルで朝を迎えた。

 ホテルの朝食は、6時30分から9時までの間。 バイキング形式で、洋食と和食が楽しめる。

「よし、今日は洋食にして、明日和食にしよう。」 と、ココアちんと話し合った。

2人で順番に、いろいろなものをチョイスしていく。 スクランブルエッグを取った時、ココアちんが、

「ケチャップ忘れてるわよ。」 って、柄のながーーーいスプーンで、ケチャップをぼくのお皿の方に差し出した。

ポタ、ポタ、ポタ・・・・ココアちんが今日のために着たばかりの真っ白な服に、ひっぱたかれたぼくが鼻血を吹き出し、その返り血を浴びたようにケチャップが垂れてしまった。

ココアちんの顔色が、サーーーーッと変わった。

「どうしよう !」

「慌てないで。こすっちゃだめだよ。」

「このまま、洗ってくる !」

そう言って、お皿をぼくに渡して手洗いに走って行ってしまった。

 ここで言っておこう。こんなこと、ちっとも珍しいことではない。

ココアちんは、必ずと言っていいほど、新しい服とか白い服を着た時に、コーヒーをこぼすとかマヨネーズを垂らすとかコーラをひっくり返すとか・・・。

もう、慣れっこなのである。

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 ココアちんの分もお皿にとって、しばらくテーブルで待っていると、上着の下の所をビショビショにして戻ってきた。

「めだつ ?」

「いや、分からない。」

「よかったぁ !」

よかったぁじゃないよ。ハラハラさせて・・・。これからという時に縁起でもない・・って言うより、紅白になって縁起が良くなったかと思ったよ。

 

 早速、朝ご飯「いただきまーーーす !」 と、言ったところに立野氏がやって来て、

「あっ、山田先生 ! 車が来ていますから、時間になったら2階の車寄せに来て下さい。」

「時間って何時ですか ?」

「7時ですから・・あと、3分です。」

にゃにおーーーっ !! 食事はこれからだぎゃ !

ウルトラマンじゃ、ねぇんだ。3分で食事なんかできるかよ。 コーヒーだって飲んでないよ。

二人で顔見合って、

「どうする ?」

「どうしよう。食べていられないよう。」

「とにかく野菜やスパゲッティは食べよう。パンは、きれいなナプキンに包んで持っていこう !」

と、言うことで、イヌ食い状態でサラダを食べた。

 あっという間にテーブルを立ち二階に行こうとした時、 iBookを部屋に置いたままだったのを思い出した。

すごい勢いで、27階に戻った。電話が鳴る。

「はい、山田です。」

「あっ、ゴロさん。ミツロウです。今、どこですか ?」

「部屋にいます。」

「みなさん、探していますよ。」

「パソコン、忘れちゃったんだもん。すぐに行きます。」

もうすでに、汗が噴き出している・・・。

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 車は4台用意してあって、講演をするぼくたちはリハーサルがあるので、先の車にミツロウさん達が乗り込んで出発。次にぼくたちが出発。モンキー先生達は、すでに出発していた。

ところがである。

道路は、すでに大渋滞。万博の会場では、朝の5時の段階で、3万人が入場門の前に並んでいた。

「このままだと、3時間かかるなあ。」

運転手も、渋い顔をしている。

ぼくの講演が11時からだ。とてもリハーサルには間に合わない。立野氏が、携帯で他の車の様子を聞く。みんな大渋滞の中で、ストップしているようだ。

「運転手さん。なんとかならないかな。」

「無理やねぇ。みんな同じ所に向かっとるんやでね。」

こんな時の名古屋弁はイライラする。

「裏道でも無いのかな。」

「あるけど大回りになるし、タクシーは西口ゲートにしか入ったらあかんちゅうルールになっとるでね。」

「おおまわりになってもいいから ! 西口ゲートの近くになったら降りて歩いてもいい !」

いいアイデアだと思った。しかし・・・。

「わし、道がわからへん。」

おい !!

「ほんでも、地元のタクシー見つけて、道を聞いたるわ。」

タクシーは、遠回りするための道に入った。立野氏は、他のタクシーにも連絡をして着いてくるようにと指示をする。

高速を降りて、出口付近でみんなの乗ったタクシーを見つけた。しばらく走っていると、運転手が、

「おっ、おったおった。あのタクシー、動きがちがう。道がよう分かっとる動きや。あのタクシーに着いていこ。」 と言う。

確かに他の車とは動きが違う。ところが、頭の中にある不安が・・・。

「あの・・・。このまま着いて行って、どこかの法事に行っちゃったらどうするの ?」 「えっ !」

「その時は、ご焼香をさせてもらって・・。」

「そうじゃないでしょ !」

「わかった。今度の信号待ちで、聞いてくる。」

そう言って、信号待ちになると、運転手は車を降りて前の車に聞きに行った。そして、明るい顔をして戻ってきた。

「やっぱり、万博に行くそうです。事情を話したら、まかせとけって、いっちょりました。」

それからは、ウソのように早かった。農道や、人家のあるところをグルグルと回り、本来のルートからすれば、全く反対方向から万博会場に向かっている。

 

 西口ゲートが見えてきた。

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( 長久手会場の西ゲートとロータリー館の位置 )

 

「本当なら、わしらは西口からしか中に入れん。それに、反対方向から右折して入るのも、あかんのや。

ほんでも、反対から来てしまったもんは、仕方がないやろ。たぶん、入れてくれる。」

予想通りだった。

20分で行けるところを3時間以上と言われ、3時間以上かかると言われたところを30分で着けた。まさに、奇跡だ。

 

 会場に着いて、更に驚いた。

なんと、すでに20万人を越えている。その日が、万博最高の人出になろうとは想像もしなかった。

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でも、まだ今日は始まったばかりだ。これからどんなことが起きる事やら・・・

・・・・講演につづく 。