◇9月18日ロータリー館 AM11時〜『マンガの書き方』講演◇

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( 一部、画像は『 工藤裕司さん 』撮影のものをお借りしています )


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 ミツロウさん達の講演

 

 講演が終わり、義兄も帰っていった。

すると、読売新聞社が取材をさせて欲しいというので、簡単な取材を受けた。

「マンガはいくつの頃から ?」

「小学校5年生からです。」

「デビューは何歳ですか ?」

「19歳です。」

・・・・・・・・・・・・オーソドックスな質問で良いのだけれど、もっと別な質問をしてくれても大丈夫。

例えば、

「これからのマンガは、本当にデジタルでしょうか ?」

「よく、サルにでもできるとか、サルでも描けるというタイトルの本がありますが、本当でしょうか ?」 というようなこと。

ぼくは答えるよ。

『 デジタルってなに ? 』

『 サルにもできることはあると思うけど、サルでも描けるなんていうタイトルは、ただ読者をサル扱いしてバカにしているだけ。もし、できなかったら、サル以下ということになる。思い上がった著者だと思う。 』

なーーーんてね。

 取材を受けていると、会場スタッフがやって来て、「食事をして下さい。」 と、ココアちんと2人楽屋に戻された。ステージではミツロウさんと竜三さんの2人が、講演の準備を始めている。

楽屋で、これでもかと言うほど豪華な弁当を渡された。考えてみれば、今朝出がけに3分で飯を食えと言われ、ほとんど何も食べていなかったのを思い出した。(しまった!写真を撮るのを忘れた。)

ところが、なんだか胃が締まって半分も食べられない。美味しいのに入らない。お腹がすいているのに入らない。辛い・・・・・。

ふと、横を見ると、ココアちんはすでに弁当を完食していて、

「食べられなきゃ、残してもいいわよ。わたしが食べてあげるから。」 と、ぼくの弁当を狙っている。

ぼくは、泣きながら弁当を渡そうとした。

その時、ミツロウさん達が、舞台裏にやってきた。場内の客入れが始まったのだ。2人は落ち着かない様子。

「がんばってね。絶対に失敗しないでね。」 と、プレッシャーを掛けておいた・・・・・・・・・ウソ !

「がんばってね !」と、ぼくは弁当を半分残したまま、ココアちんと客席に行くことにした。

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( 左の白い建物が講演会場のロータリー館、正面が迎賓館 )

 

 ミツロウさん達は、講演前日に、講演のためのデーターを抱えたままパソコンがクラッシュしてしまった。しかたがなく、たった一日で、できる限りの再構成をして臨んでいる。

どうなってしまうのか、とても心配だった。もし、時間があまりにも短かったり内容が尽きたりしたら、『 マンガの書き方教室 』を飛び入りでやろうかと心の中で思っていた。

でも、その心配は全くないことが、始まってから分かった。

客席には、ぼくの時と同じように、いっぱいの人が入った。親子連れも多い。

2人がステージに出てきて挨拶があり、いよいよ始まった。タイトルは、『 デジタルマンガの新しいあり方 』 、テーマがむずかしい・・・ !

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( 石野竜三氏・藤本ミツロウさん )

内容は、デジタルマンガならではの音やアニメとのコラボレーション。そして、自然webコンテンツに向かっていく。印象に残ったのは、参加型デジタルマンガ。これは、面白かった。読んでいる自分が主人公になったり脇役になったりして、 他のキャラクターの声や音のタイミングを、自分で調整できるというもの。つまり、読者の数だけ、印象のちがう物語が誕生するということだ。

データーがクラッシュしたのに、よくぞここまで短時間でまとめたものだ。ぼくにはできないと思った。

ところが、1時間30分で内容が終わってしまった。あと、30分 !

「それでは、最後になりますが、先ほどお見せした絵本形式のマンガの制作の一部をお見せします。」

ミツロウさんが立ち上がった !

もう講演が終わってしまうのかと思っていた客席の空気が、ガラッと変わった。穏やかに、肩にはいった力がほぐれていく。

気が付いてみれば、2時間ジャスト。大成功だった。それにしてもスリリングな時間だった。

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( デジタルマンガ大賞・web部門の展示 )

 

 この講演中、またしても驚いたことが起こった。講演を聴いているぼくの肩を、誰かがポンポンとたたく。何だろうと振り向くと、なんとシャープ ( 三重県・亀山 ) に勤める友人が立っていた。

「ゴロさんやミツロウさんが、万博に来ていると今朝知って飛んできました !」

満面の笑顔 !

「ありがとう、ありがとう !」

もう、感謝の言葉しか出てこない。

「すみません。ゴロさんの講演は聴けませんでした。」

「いいんだよ。もう来てくれただけで、充分だよ。」

本当に、嬉しいときには嬉しいことが重なる。

 またその時だった。友人の直ぐ後ろにいた人が近づいてきて、

「山田ゴロさん。やっとお会いできました。わたくし、○○○の者です。」

・・・この人、一度どこかで会ってる・・・でも、思い出せない。

「このたびは、講演をありがとうございました。」

「こちらこそ、お招き頂きありがとうございました。」

「本当に良い講演でした。つきましては、ご相談があります。」

「なんでしょう ?」

「次に、岐阜などでも、お仕事を設定させてもらってもよろしいでしょうか ?」

「は、はい。えっ、どういうこと ?」

「ありがとうございます。必ずご連絡申し上げます。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何か、仕事を受けたみたい ?なんだか分からないけど、その内、何かあるんだろうか。

それより何より、ミツロウさん達の講演も終わり、どっと疲れが全身に襲ってきた。しかし、まだまだ休めなかった。

死の行軍は続く・・・・。

死の行軍は続く・・・・。